関西花しるべ2 Flowers Guidance 2 春の森  シハイスミレ
<=ハシリドコロ 目次 ヤブレガサ=>

兵庫県宝塚市 2003/04
しはいすみれ 紫背菫 (スミレ科)
2002年の春、私の住む宝塚市内の市街地に近い山林で、大きな山火事があった。2日間に渡り炎上し続け、 近くの住民が避難する騒ぎになった。その後も時々ぼやがあり、放火が疑われているが、はっきりしたことは わからないらしい。
今でも、その山は遠目にも黒々とした山肌を見せていて、火事のあったことを物語っている。

2003年の春、特に意図したわけではなかったが、その焼け跡生々しい中を通るコースをハイキングした。 雑木林だった木々が、無残にも黒焦げになって、 立ち枯れている様は痛々しいものだった。


しかし、そんな中でも、新しい春の緑は着実に命を紡いでいる。このシハイスミレもその1つ、 焼け跡の林床を点々と紫色で飾っていた。
一見立ち枯れているように見える木々も、根は生きているに違いなく、やがて、新芽が芽吹いて くるであろう。

長い自然の営みにおいては、土砂崩れや火災などによる生態系の撹乱は必ず起こるものであり、 それに動じない自然の力をあらためて実感した。


[分布]本州(長野以西)〜九州、朝鮮 [花期]4−5月

兵庫県宝塚市 2003/04 山火事の焼け跡。

戻る