関西の名花 Impressive Flowers in Kansai 秋1  ミズトラノオ
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兵庫県 2002/09
みずとらのお 水虎の尾 (シソ科)
ミズトラノオという、水辺に生える植物のことを知ったのは、割と最近のことだった。群生する 自生地の写真を見て、ぜひ、この目で見てみたいと思った。昨年(2002年)の秋、ようやく、 その機会に恵まれた。

そこは、まるで別世界だった。

溜池と言うには広々とした池の、葦原の岸辺に混じって、ぴんと直立したピンクの尾っぽが、 あっちにも、こっちにも、大きな集団を作って、風にそよいでいる。
傾きかけた日差しを受けて、わずかに赤みを増した花穂かすい が群れ咲く様は圧倒的で、時に陽の光を反射してきらきら輝き、こんな光景がここにあることが 信じられない思いがした。
池の向こう側には、サギであろうか、数羽の水鳥が飛んでいる。まるで、日本画の風景画を ライブで見る思いがした。

この場所は、決して深山幽谷ではなく、周りは人の生活空間で満ちあふれている。この、奇跡と も言えるミズトラノオの咲く風景に、いつまでも出会える幸せが失われないことを、願ってやま ない。

[分布]本州−九州、朝鮮 [花期]8−10月

夕日に輝く群落の写真です。



兵庫県 2002/09

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