<2025年10月>（寒露）

フジバカマ

フジバカマ

フジバカマは、秋の七草の中で、いちばん見ることが難しい花だ。 山に茅場（ススキの原）があり、草地が多かった昔は、もっと、身近に見られたのだろう。 このフジバカマは、栽培されているものが、近くの道端に逸脱したものだ。

（兵庫県豊岡市 2023年10月13日 KP z60mm F8 MPオート）

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撮影雑記： 秋の七草のひとつとして、フジバカマ（藤袴）の名はよく知られていますが、実物を見たことがある人は、 かなり少ないと思います。 ましてや、自生のフジバカマを見るのは、至難の業です。私も、自生地を案内してもらって、いちどしか 見たことがありません。 フジバカマは、主に、草地に生息する花で、茅場（かやぶきの原料などのため、ススキの原にしている場所）が 各地にあった昔は、いまより身近に見られたのだろうと思います。 そもそも、秋の七草に詠まれた花は、草地で見られるものが多いです。 ススキ（尾花）、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ（朝顔）は、草原の植物です。 奈良時代の高貴な方が、茅場のあたりを野遊びして、目にした花を詠んだんだろうなって、勝手に思っています。 自生のフジバカマは、限りなく見られない花になりましたが、植えられているものは、しばしば、目にします。 ここも、保護、育成のため、小さな畑のような場所に、ぎっしりと、フジバカマが植えられていました。 あまりに密集していたので、ごく一部だけを切り取って写真にしました。 こちら、その、栽培地のすぐ近くの道端で、伸び伸びと咲いていたフジバカマです。 けっこう丈夫な花で、草地という環境さえあれば、元気に育つのだろうなと思いました。