幻の湿原 （ミズアオイ）

第5回豊楽会・作品3

絶滅危惧種のミズアオイが咲く、円山川河口の美しい湿原です。 でも、それは、改修工事中に現れた１シーズン限りの幻でした。 一年後の秋、湿原は土砂に埋もれていました。

（兵庫県但馬地方 2005年09月10日 *istD Sigma55-200mmF4-5.6DC f8 WB太陽光）

<= 第5回豊楽会・作品2

目 次

第6回豊楽会・作品1 =>

撮影雑感： 3つ目の出会い −実は、前の年の秋だったのですが− は、残暑厳しい9月のミズアオイ。 この日は、出石町で保護しているミズアオイを見るのが主な目的でした。 円山川河口付近にも、咲いているところがあるというので、ついでに寄ってみようというくらいの気持ち だったのです。 ところが、来てみて、絶句しました。 河口の脇に広がった、池のような湿地帯。そこには、信じられないほどの数のミズアオイが群生している ではありませんか！ その上、コウノトリが餌をついばんでいます！（当時、まだ、コウノトリの放鳥前で、偶然飛来して 住み着いた、一羽の野生のコウノトリがいた） 目の前に突如出現した、奇跡と行っても過言でない、美しい光景でした。 後から詳しい人に教えてもらったのですが、たまたま、農地の改修工事の途中、水がたまって池のように なり、そこに、眠っていたミズアオイの種が目を覚まして、大群落になった、ということのようです。 予定では、ここは田んぼになるそうで、「せっかく現われた湿地を、なんとか保護したい。ホーム ページで呼びかけて欲しい」と、私も頼まれました。 → 「季節の一ページ」2005年9月−ミズアオイの湿原 一年後（2006年）の秋、再び訪れたその場所は、土砂で覆われて、ああ、やっぱり、幻の湿原だったのか、 とがっかりしたのですが、幸いなことに、出現した池の一部は、公園として残されることが決まったよう です。 追伸： 2008年夏、面積は小さくなったものの、池が保全されていました。 まだ、一部工事中でしたが、コウノトリの親子3羽が、仲良く餌をついばんでいました。